HOME > お知らせ顎関節症とは?ここが変だよ。誤解だらけの「顎関節症」ーー「顎関節症」の治療で頭痛、首コリ、肩こりがなどの改善を期待しては、いけない本当の理由 - 札幌市のあごずれと噛み合わせ専門幸健美歯科クリニック
カテゴリ:タグ: かみ合わせ, 肩こり, 腰痛, 頭痛, 顎関節症, あご, 首こり
お知らせ 2018年11月14日
口を開けるときに痛い、音がする、開きづらいなど、あごの不具合が起きる病気として「顎関節症」はかなりポピュラーな名称として一般の方々にも知られるようになりました。
歯科の世界においても、虫歯、歯周病に次いで第三の病気として認知されています。
また、ここ十数年の間に各年齢層を通して「顎関節症」は急な増加傾向にあります。特に20~30代の女性に多く、男性の約2,3倍といわれています。
現代のストレス社会の食いしばり、かみ締め癖、パソコン、スマホの長時間使用などによるうつむき不良姿勢も影響しているものと考えられます。
最初に「顎関節症」という名称が提案されたのは、約60年以上前のことです。そして、その提案をもとに、日本では独自の研究・発展を経て「顎関節症」を顎関節痛などの3つの症状、病気の状態を4つのタイプに分類しています。(詳細は後半に記載)
ところが、現在「顎関節症」の相談に歯科を訪れる方で、3つの症状の他に、頭痛、首こり、肩こり、耳閉感、眼痛など様々な不調をお持ちの方がデータ上でも増えています。
しかしながら、訪れる患者さんの期待に反して、現在の「顎関節症」の治療では頭痛等は「顎関節症」と全く関係ない、関連性のない症状として除外、無視されているのです。
もちろん、歯科医の先生個々の考え方は様々でしょうが、あくまで学会の発表しているガイドラインの内容です。
また「顎関節症」の判断基準の項目では、はっきりと「顎位の変化」つまり「アゴのずれ(顎偏位)」は、主要症状に含めないことが書かれています。
しかし、院長である私は17年に渡る、様々な分野の研究、学習を経てたどり着いた知見として、「顎偏位症候群」すなわち顎位の変化、アゴのずれこそが「顎関節症」の最も重要な症状、要因となるものであり、4つのタイプに分類された病気の状態についても、このことですべて説明が付きます。
さらに3つの症状以外のもので、関係がないと除外されている頭痛、首こり、肩こり、耳閉感、眼病などについても、その関連性を詳しく説明できます。
また、私はいわゆる「顎関節症」でさえ、この「顎偏位」による要因を考えずに、ただ、かみ締め防止や、歯を当てない訓練、単純な一般的マウスピースでは本当の改善ができないと考えています。
人間はアゴのずれ(顎偏位)によって、痛み、雑音、動きづらさなどが出ても、そのまま壊れてしまうわけではありません。適応能力、代償作用などど呼ばれ、抵抗する力によって一時的に症状を補ってくれるのです。ところが、そのずれを放置していると、アゴの問題だけの症状ではなく、全身へと影響が波及して、大変なことになっていくのです。
なぜかというと、下のアゴは約500gあり、頭(約5kg)の重心バランスをとるおもりとして全身を真っ直ぐに立たせる役目をしているという、生体力学的視点が全く欠落しているためです。
顎関節は他の関節とは異なり、左右の関節部が下のあごの骨で連結され、共同で動くことで食べる、しゃべる、体のバランスをとるなどの大事な機能を発揮しています。ところが、かなり自由に動けるということは、その分不安定となり、下アゴは本来左右の位置からズレやすい欠点をもっているのです。
また、もしアゴのズレで様々な不調が起こっている場合には、その場でアゴを正しい位置に仮に修正してみると、すぐに改善反応が起こるという特徴があるのです
「顎関節症」という病名は、1956年に東京医科歯科大学のある教授により、「顎運動時の関節痛、関節雑音、および顎運動異常を主症状としし、顎関節の腫脹・発赤・熱感などの明確な急性症状を欠く症候群」として提唱されました。
その後徐々に顎関節が臨床研究において取り上げられるようになっていきました。
さらに、内視鏡が開発されたり、CT、MRIなどの画像診断法が発達して研究が進み、顎関節症といっても様々が疾患が含まれていることがわかってきました。
1986年に日本顎関節研究会は「顎関節症」を5つの型に分類する案を提出し、1996年に日本顎関節学会が顎関節症の定義、分類を提案し、2001年に「顎関節症診療に関するガイドライン」を発表しました。
そのガイドラインは10数年にわたって、顎関節研究と臨床の場において使用されていました。
一方アメリカでは、口腔顔面痛学会(AAOP)が、2012年に20年かけた検証の末、国際的な診断基準が策定されました。
日本顎関節学会では、2013~2014年にかけて今までの日本独自の基準と、国際基準との整合性を持たせるための検討委員会を組織し、我が国における顎関節症および類似疾患についての用語や分類を公表しました。
しかし、国際的な診断基準が、かなり範囲が広い内容と部位を網羅している(例えば、顎関節による頭痛という項目もあります)のに比べて、日本のものはかなり狭い、限定的部位での診断に留まっています。
まず、最初に「顎関節症」とは、いったいどんなものなのか?最新の情報からお知らせします。
(2018年日本顎関節学会ホームページより引用)
「顎関節症は、顎関節や咀嚼筋の疼痛・関節雑音・開口障害など、顎運動異常を主症候とする障害の包括的診断名である。
その病態は、咀嚼筋痛障害および顎関節痛障害、顎関節円板障害および変形性顎関節症である。(現在までに部分改訂有り)」・・引用終わり
ここまで読んでみても、かなり難解な用語でわかりにくいですよね。
いわゆる「顎関節症」には3つの主要な症状があります。
まず、この3つの症状の内最低1つ以上があることが重要な決定条件です。
これらは、咀嚼筋や顎関節、顎関節円板(顎関節にあるクッションの役割の組織)に不具合があること、また、骨自体が変形して障害を起こすことなどが組み合わされているものと考えられています。
しかし、この上記3つの症状は「顎関節症」になった時だけに起こるとは限りません。つまり「顎関節症」とは、この3つの症状を起こすの様々な障害、病態の疾患も含まれていてかなり曖昧になっています。
そこで、歯科で治療すべき「顎関節症」とに確定するに次の4項目に従って絞り込んでいきます。
自発病(何もしていなくても痛い状態)は除外し、対象となるのは、動かしたときにに起こる痛みのみ。
顎関節と咀嚼筋という部位だけで限定的局所的な対象範囲。
この3症状が起きているとき、かなりの確率で頭痛、首コリ、めまい、肩こり、耳痛、眼痛などの症状が同時に起きていることが多いのですが、それらの関連は一切認めていません。
これが、一番不思議なことですが、「顎関節症」とは、いろんな疾患が含まれている病名ですが、あらかじめ決められている他の疾患をどんどん除外していくことで、歯科で治療すべき「顎関節症」と診断するのです。
繰り返しますと、「3つの症状が出ることのある「顎関節症」以外の病気が無いときに「顎関節症」診断されます(これは余計にわかりにくいですね。)
そこで残ったものが現在の「顎関節症」なのです。意外なことに、ある意味曖昧で、アゴの不具合におけるざっくりとした「診断名」となっています。
私は歯科大を卒業後「顎関節症」の治療に対しては、上記で説明してきた、歯科界での標準指針である「日本顎関節症学会」による顎関節症診療がガイドラインに準じて行っていました。
しかし、なかなか思うような結果につながらないことが多く、日々悶々としていました。
そこで、私自身がいろいろな分野から17年に渡って学び、研鑽した知識、技術を活用して、もう一度この「顎関節症」というものそれ自体について、考え直してみました。
その中で特に気が付いた疑問点、矛盾点、そして「顎偏位症候群」の発想からの解決策など述べてみました。アゴのずれという意外なことが、あなたの長引く不調の原因かもしれません。
当院では、アゴを仮に正しい位置に修正した時の、不調改善の確認体験も行っております。お気軽にこちらからご相談ください。
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佐藤嘉則 著 ワニブックスPLUS新書